パーソナリティの心理学|種類と意味とは何か?



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<心理学>パーソナリティーとは

パーソナリティは、一般的には人格と邦訳されますが、最近では、パーソナティとそのまま使われることが多くなっています。

このパーソナリティという語は、ラテン語の「ペルソナ」に由来し、演劇で役者のつける仮面を意味していました。

さてパーソナリティの定義については、学者によりさまざまな定義がなされていますが、オルポートの「パーソナリティとは、精神身体的組織をもった、個人内の力動的体制であって、環境に対する独自の適応を決定するものである」という定義は有名です。

すなわちパーソナリティとは、環境に対する適応機能の全体的特徴であり、独自性と統一性をもった、包括的な概念といえるでしょう。

ところで心理学には、性格(キャラクター)という用語もあります。

厳密にいうと、性格はパーソナリティの感情的・意志的側面を強調し、パーソナリティは知能・興味・態度・価値観などを含めた、全体的特徴を強調しているといわれますが、実際には同義に用いられることも多いといえます。

 

パーソナリティの理解

1.類型論

類型論とはある類似性によって、多様なパーソナリティをいくつかの型に分類して、理解しようとする立場です。

類型論の長所は「何型である」ということで、パーソナリティの全体像を容易に把握できることですが、一方では多様なパーソナリティを、少数の型に分類してしまうために、中間型や移行型が見落とされやすいといった欠点があります。

  1. クレッチマーの類型論:精神科医のクレッチマーは、精神病の型と体型を調べるうちに、体型と気質には一定の関係があることを発見しました。
  2. ユングの心理学的タイプ論:ユングは、根本的態度の2類型と心理的機能の4類型を組み合わせて、パーソナリティに8つの類型を考えました。根本的態度とは、パーソナリティの基本となる態度で、「内向性(外的状況よりも自らの知覚や認識が行動の基準となる)一外向性(行動が外的状況に依存し、自分の態度は客体を基準として決定される)」に分けられる先天的素質です。また心理的機能とは、意識の特性で思考一感情機能、直観一感覚機能の4つの機能があります。
内向的思考タイプ 外的状況よりも自らの見解を重視するタイプで独創性に富むが、この傾向が強すぎると非現実的になる場合もある。
内向的感情タイプ 内的な感情が強く芸術家タイプである。
内向的直観タイプ 内的なひらめきを重視するタイプで,そのため周囲からはなかなか受け入れられないこともある。
内向的感覚タイプ 独自の内的感覚を重視するタイプで,内向的直観タイプと同様に外界における適応が難しい場合もある。
外向的思考タイプ 外的事象を客観的に理解しようとするタイプ。
外向的感情タイプ 外的価値観を受け入れながらかつ自らの感情の快不快で行動するタイプ。
外向的直観タイプ 新しい可能性を求めて行動するタイプ,
外向的感覚タイプ いわゆる現実主義で自らを外的状況に介わせていくタイプ。

 

2.特性論

特性論とは、社交性、神経質などの特性の組み合わせによって、パーソナリティを理解しようとする立場です。

特性論では、パーソナリティをかなり詳細に把握することができるのが長所ですが、欠点としてパーソナリティの把握が寄木細工的で、全体像が把握しにくいといえます。

ギルフォードの特性論:ギルフォードはパーソナリティを構成する13の因子(特性)を見いだしました。この13特性のそれぞれの程度の総和が、その人のパーソナリティを決定すると考え、YG性格検査はこの中の12因子を基礎にした性格検査です。

 

3.構造論

構造論とは、パーソナリティはいくつかの領域で、構成されるある構造をもつと考える立場です。

フロイトの構造論:フロイトは心的装置という構造を考えました。すなわち心はエス(Es;イドid),自我(ego),超自我(superego)の三領域から成立するというものです。

エ ス エスとは無意識の外にある“それ”という意味で無意識的なものの代表である。ここは身体よりとり入れられたエネルギーが貯蔵され,これをリビドー(11bido)と呼ぶ。このリビドーは現実的な秩序や時問などの影響を受けることなく(一次過程)/‘~がしたい”¨~がほしい¨といった欲求衝動の解放だけを求める(快感原則)ためにエスは「本能衝動の座」とも呼ばれる。
自 我 心の中心領域で外界と接触し,知覚,思考,判断,学習,記憶などの現実的思考(二次過程)が機能する、つまり外界を的確に把握し現実に適応する(現実原則)領域である,また外界とエスとの仲介をしてパーソナリティを統合する役割であることから「知性の座」とも呼ばれる。
超自我 幼児期の両親のしつけや社会的規範が内在化されてできる領域で,¨~してはいけない¨“~しなくてはならない¨といういわゆる良心である,つまり自我に対して道徳的判断を下す部分であるところから「良心の理想の座」とも呼ばれる.

 

防衛機制とは?

私たちには,不安が生じた場合に精神的な安定を保つための心の働きがあります。フロイトはこれを防衛機制と呼びました。

個人によってよく用いられる防衛機制は異なりますが、ここでは代表的なものを紹介します。

抑圧(repression) 不安や苦痛の原因となる欲求や感情などを無意識のなかに抑え込むこと。防衛機制の基礎となる、
投影(投射projection) 抑圧された感情や欲求を他人のものとみなすこと。たとえば子どもが一流大学に入りたがっていると思い込んでいる教育ママは、実は自分のかなえられなかった欲求を子どもに投射している場合。
同一化(identification) 白分かある対象と似てくるようになること。たとえば尊敬する先輩に態度や言葉づかいが似てくる場合。
反動形成(reaction fomlation) ある欲求が行動化されないようにそれと正反対のことをすること。たとえば憎しみをもつ相手に対して逆に親しげに接近する場合。
退行(regression) 早期の発達段階へと後戻りすること。たとえば排泄自立した子どもが弟が生まれたとたんにおねしよをするようになる場合。
合理化(rationalization) 自分の失敗を認められず,何らかの口実を作るなどして正当化すること。
昇華(sublimation) 直接的に表現すると不都合を生ずる欲求や感情を社会的に認められた形で表現すること。たとえば青年期にスポーツに打ち込むのは性欲や攻撃性の昇華であるといわれる。
知性化Gntellectualization) 抑圧されている欲求や感情を知的に客観化すること。たとえば自分の病気に不安をもつ人が医学書を読みふける場合。

 

参考文献
川瀬正裕・松本真理子・松本英夫 2006 心とかかわれる臨床心理[第2版]一基礎・実際・社会-  ナカニシヤ出版