交流分析とエゴグラム|心の成り立ちについて



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エゴグラム

よく漫画などで主人公の頭の中に、2人の自分が出てきて、言い争っているような表現が出てきたりします。自分の中に2人の自分がいるというわけです。

このときの一歩はたいてい、何か側貌を満たそうとする自己中心的な主張をして、もう一方はその欲望よりも、社会的規範を守ろうとする道徳とか倫理観を重んじる主張をします。

私達も実際の生活の中で、自分自身の中のこの2つの部分のぶつかり合いを感じることが多いものです。そのようなとき、私達の心はどのような動きをしているのでしょうか。

こういった心の動きについて、精神分析の創始者であるフロイトは、「イド」「超自我」そして「自我」といった昨日を想定して精神構造を理論化しました。

フロイトの理論では「自我」が心全体のまとめ役のように想定されていて、とても重要な機能をもっているとされています。

もちろん、その大が過去にどのような体験をして、「イド」がどのような欲求をもっているのか、どのような「超自我」が取り入れられているのか、したがってどのような葛藤があるのか、によってもその人の人格は異なってくるのですが、まとめ役の「自我」がどのような状態であるのかによって、行動としてあらわれるところでは大きく違いを見せるようになります。

フロイトとはやや違った視点から「自我」の働きを研究した理論に交流分析があります。この理論は精神構造だけではなく、対人関係のパターンの分析を目的としたものですが、自分の自我の状態の傾向を知ることを目的にこの理論をみてみましょう。

 

交流分析とは自己と出会うこと

アメリカの精神科医バーン(Berne,E.)は、1950年代中頃から交流分析という理論を提唱し始めました。交流分析とは対人関係で起こっている交流のパターンを分析する方法です。

5つの自我状態

交流分析理論では、自我の状態を3つの層に分け、さらに親と子どもを2つに分け、5つに分類しています

(1)P一親(Parent)の自我状態:幼い頃から自分を育ててくれた親またはその役割をとった人から取り入れた部分です。さらに親の自我状態は,2つに分けられます。

  • CP: 批判的親(CiticaI Parent)の状態。自分の考えや価値観を正しいものとしてそれを主張する部分です。良心、理想などと深く関連します。規則などを教える反面、支配的で命令調,ほめるよりも責める傾向が高くなります。
  • NP:養育的親(Nurturing Parent)の状態。思いやり、同情、寛容さなどの部分で、人を励ましたり世話をする側面です。保護的でやさしいのですが、度がすぎると抑しつけがましくなります。

(2)A一人人(Adult)の自我状態:客観的事実をもとにものごとを判断する部分です。感情に支配されず、合理的かつ論理的で冷静な機能で、知性や理性と深く関連します。こういった機能は必要不可欠ですが、この自我状態が必ずしも理想的という意味ではありません。あまりにこの部分が強いと、情緒的に乏しいパサパサした状態となってしまうでしょう。

(3)C一子ども(Child)の自我状態:生まれもった本能的な直観や情緒に深くかかわり、幼い頃に身につけた行動様式や感情の表現といえます。CもPと同様2つに分けられます。

  • FC: 自由な子ども(Free Child)の状態。親からのしつけの影響を受けない、本能的で感覚的・創造的な側面です。道徳や社会規範にしばられず、快感を求めて苦痛や不快なことを避け、自己を開放して楽しむことができる反面、過度になると自己中心的であったり、軽率になってしまいます。
  • AC:順応した子ども(Adapted Child)の状態。本来の自分の感情や欲求を抑えて、親などの期待にそおうとする、いわゆる「いい子」の部分です。イヤなことを「イヤ」と言えず、簡単に妥協してしまったり、自発性に欠ける傾向をもちます。この状態での感情は、あまり快適なものではありません。

交流分析のあらまし

交流分析では私たちの対人的交流は、この5つの自我状態の間でやりとりがなされて展開しているとされています。

そして、その交流のパターンを分析して、うまくゆかない原因を探ったり、どうすればよい方向に展開していくかを見いたして、そのための練習をし、よりよい社会生活に役立てようというのがねらいです。それらは以下の4つの手順で行なわれます。

  1. 構造分析:まず、個人の自我状態を前述のP・A・Cを用いて分析を行ないます。そして、自分の自我状態を認識できるように練習します。このときに用いられるのが、ここで行なうエゴグラムです。
    エゴグラムはデュセイ(Dusay.J.M.1977)によってつくられたもので、当初は数量的ではなくイメージで描くものでしたが、いくつかのグループによって研究され、質問紙に答えることによって測定することができるようになりました。
  2. 交流パターン分析:これは,2人の間のコミュニケーションを分析するものです。2人の間に起こる交流が、お互いのどの自我状態での交流かを分析し、より円滑に交流できるようにしていくためのものです。
  3. ゲーム分析:私たちの日常では,表而に表われているものとは異なる「襄の交流」が起こることがしばしばみられますが、そのなかで、特によくない結果を招くものを「ゲーム」と呼びます。ゲーム分析では、この裏で悪さをしているゲームを分析・理解することによって、人間関係を改善しようとします。
  4. 脚本分析:これは人生を1つの脚本とみなして、そこに表われる筋書きを分析するものです。このことによって、小さい頃から積み重ねられた親との交流を見直し、自分の人生を自分でコントロールすることをめざします。