対人態度を考えてみよう



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基本的対人態度

私たちは一人ひとり、人とかかわるときの姿勢にあるパターンをもっています。その姿勢のことを対人態度と呼びます。

対人態度は、もって生まれた側面もあるでしょうが、それまでの人生の経験の積み重ねが、深く影響を及ぼしていると考えられます。

たった1回の成功体験から、それまで引っ込み思案だった人が、積極的になるといったこともあるでしょう。反対にそれまで気にせずにいたことが、誰かに一言いわれたことから、すごく気になりだして、それから大に接するときには、おどおどしてしまうようになるといったこともあるでしょう。

私たちは、生まれてから人のなかで暮らしていきます。そのなかでさまざまな刺激を受けたり、愛情を受けて安心感を得たりしていきます。その意味で対人関係はきわめて重要なものといえるでしょう。そして重要なだけにしばしば不安・緊張を感じる場面ともなります。豊かなバランスのとれた対人関係は私たちを安心させてくれるでしょうし、硬くこわばった対人関係は私たちのこころをギスギスとしたものとしてしまうでしょう。

基本的不安と神経症的欲求

ドイツの精神分析医であるホーナイ(Horney,K。1951)は、基本的不安に関する理論を提唱しました。

彼女は、神経症に共通する反応の硬さや、潜在能力と実際の業績のずれなどの背景には、基本的不安があると考えました。

基本的不安とは「欺朧、からかい、攻撃、屈辱、裏切り、嫉妬などが渦巻く世のなかで自分は一人見捨てられ、無力で危険にさらされている存在である」といった感情のことです。これは幼児期における両親との関係のなかで、自己確信感や見返りを求めない愛が得られなかった結果と考えられます。

そして、人はこの基本的不安に対する防衛として非合理的な性質をもつ「神経症的欲求」を発展させることになります。

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神経症的欲求の分類

ホーナイは、この神経症的欲求について表のようにまとめています。

人に向かう動き 情愛と承認を求める欲求
自分の人生を引き受けてくれるパートナーに対する欲求
人に反発する動き 権力への欲求
他人を搾取しようという欲求
威信を求める欲求
個人的賞賛への欲求
人から離れる動き 自分の人生を狭い範囲に限ろうとする欲求
個人的成就に対する神経症的野心
自己充足と独立の欲求
10 完全で難攻不落の状態を求める欲求

彼女は上記のように,「人に向かう動き(toward)」、つまり依存(Iと2)、「人に反発する動き(against)」、つまり攻撃(3~6)、「人から離れる動き(awayfrom)」、つまり離反(7~10)の3つの基本的態度にまとめ、これらを基本的葛藤(basicconnict)と呼びました。

人に向かう動きの中心的不安には無力感があり、反発する動きには敵意があり、人から離れる動きには孤立があります。

そして、正常な人間はこれらを統合したり、周囲の状況や自己の内部の必要性に応じて使い分けていますが、神経症的な人はそれができず、lつの型だけを意識的に認めたり、理想自我を現実として認識したり、葛藤を投影(外在化)するのです。

ホーナイの提唱した、基本的態度に肯定的な側面を取り入れて、西平(1964)は基本的対人態度測定インベントリーを作りました。