帰属意識とはどういうものか|社会の関わりと考えてみる



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現代青年の様相について

現代青年の意識について、概観してみましょう。

1.就業の実態

青年期は、社会へ踏み出していく時期でもあります。しかし、近年その姿に大きな変化が見られます。

ひきこもりやニートの問題が指摘され、その理解や対策が論じられています。

平成18年版の青少年白書(2007)では、平成16年中に仕事をやめた30歳未満の青少年は、26.3%(男子22.6%,女子30.3%)で、全労働者の離職率16.0%(男子13.4%,女子19.6%)を大きく上回ったそうです。そして、就職後3年間で、中学校卒業者では就職者全体の7割以上、高等学校卒業者で5割近く、大学卒業者でも3割以上が離職しているとのことです。

離職した青年が、必ずしもフリーターやひきこもりになっているとは限りませんが、学校を終えて社会に出てから仕事についても、少なからぬ青年が進路を変更しているようです。

その一方で、内閣府の調査(2004)では、就業している青年では、転職しない人数が5割を超えていますし、職場への満足度も高いようです。そして、職業選択の理由としては「仕事内容」
が第1位で、「収入」よりも多く回答されていました。

2.社会参加

近年の選挙の投票率においては、20代の投票率が極端に低いことが、たびたび指摘されています。このことは、政治などの社会活動への無関心な傾向を推測させます。

前出の調査(2004)によると、地域社会への愛着については、85.1%が「好き」もしくは「まあまあ好き」としていますが、その理由としては「友人がいる」が第一位でした。

一方、ボランティア活動をしている青年は、3.3%にとどまっているようです。

3.友人関係

同じく内閣府の調査(2004)では、青年の余暇の過ごし方としては、「友人と共に過ごす」が選択されており、第2位は「テレビなどをみてのんびり過ごす」でした。また、青年がもっと
も充実していると感じるときは「友人や仲間といるとき」といった結果が得られています。

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現代青年のかかわりと所属感

青年期には、自己の内面を理解してくれる相手を得ることが重要な課題です。そのきっかけとして、自己を表現する自己開示がテーマの1つとなります。

しかし、鍋田(2007)は、現代の青年は深くかかわることを回避して、擬似的な関係を作っていると指摘しています。相手と距離を置き、“軽い”関係性を保っているといい、ネットや携帯などの関係が象徴的だとしています。その関係では、自己開示は「暗い話題」として避けられる傾向があるようです。

その結果、自分がしっかりと所属している集団に、居場所があることを確信できずに、常に不安をもって防衛的に社会生活を送っている可能性が考えられます。そして、その防衛として過
剰にまわりに合わせてしまうか、ちゃかして核心的な話題には触れないといった態度をとることになります。

自己を安定させるためにも、自分が社会のなかで受け入れられて、自身としても深く関与している集団への所属感を持つことが重要だと考えられます。